文政9(1826)年の暴風雨により損害を被り,祇園祭の巡行から退いていた山鉾である「鷹山」が,約200年ぶりに正式に巡行に復帰するに当たって,本学の教員及び学生が「テーマ演習」の授業「祇園祭の鷹山の復興デザイン計画」で鷹山保存会と協力し,その復興プロジェクトに取り組んできました。
この度,鷹山復元検討会が審議して制作された一番水引のお披露目に合わせて,本学の学生と教員がデザインした裾幕をお披露目しました。
<デザインを担当した学生メンバーの小山内瑞恵さん(当時修士課程工芸専攻1回生)のコメント>
鷹山の御神体の主題と思われる鷹狩を意識し,草原での鷹狩の様子を感じ取れるように,風にゆれる草のモチーフを取り入れました。筆で描いた草と刷毛で草を水の流れのように抽象化したものを組み合わせたものに伝統的な鯨幕の背景をかけあわせ,動きがある中に格式を感じるデザインになるように仕上げました。山鉾全体の調和を重視し,上部の幕類を引き立てる裾幕になるようにこころがけました。


会場では,一番水引や真松に乗る雉もお披露目されました。
鷹山はこの夏の7月24日(日曜日)の後祭巡行で,約200年ぶりに正式に巡行復帰することを目指しています。この歴史的な復帰の際に,今回お披露目された裾幕が鷹山に掛けられ,またこれまで本学の学生がデザインしてきた「曳子」,「ちゃりん棒」,「囃子方」,「音頭取り」,「車方」の衣装が着用される予定です。


