京都市立芸術大学は、近隣にある京都市立境谷小学校と連携して,小学校の空き教室を活用した『境谷小レジデンス』の取組を2011年9月から実施しています。
『境谷小レジデンス』では,境谷小学校の2つの空き教室をアートスペースとして活用し,本学の学生や卒業生が滞在制作を行うとともに,ワークショップや小学校作品展で作品発表などを行うことで,日常的に子どもたちと美術を通した交流を図っています。(これまでの取組の様子は,大学のお知らせ(「2012/08/09」,「2012/07/14」,「2012/06/15」,「2012/04/11」,「2011/11/15」)をご覧ください。)
この度,平成25年度に境谷小学校で滞在制作を行う学生と卒業生が小学校の全校生徒の皆さんへ挨拶をさせていただきました。
平成25年度『境谷小レジデンス』メンバー
平成25年度は,前年度からのメンバーである,中井敦子(なかい あつこ)さん,中村潤(なかむら めぐ)さんに加えて,次の4名が新メンバーとして活動します。
○ 藤村 佳朋(ふじむら よしとも)さん 美術科構想設計専攻4回生

普段は絵本を作っています。境谷小レジデンスでは,学校で不要となった物を使って,面白いことができないか考えています。
子どもたちからいろいろと教えてもらって取り組んでいきたいです。
○ 山本 佳奈(やまもと かな)さん 2013年(平成25年)彫刻専攻卒業

大学では立体の作品を作っていました。卒業後に,こういう機会をいただき,立体に限らず,平面の作品を制作したり,文章を書いたりと,興味が湧いた様々なことにチャレンジしていきたいです。
○ 水田 寛(みずた ひろし)さん 2008年(平成20年)修士課程(油画)修了

アトリエの引っ越しで制作スペースがない時期だったので教室をアトリエとして使わせていただいて本当に感謝しています。
子どもたちとの交流を楽しみにしています。
○ 川田 知志(かわた さとし)さん 2013年(平成25年)修士課程(油画)修了
美術学部総合基礎実技非常勤講師

アートスペースだけではなく,廊下など普段子どもたちが使っている場所でも作品を制作できたら良いなと思っています。 先生,生徒の皆さん,あまり怒らないで下さい。(笑)
よろしくお願いします。
この取組を開始してから1年半が経過し,『境谷小レジデンス』の取組も子どもたちに浸透し,子どもたちがほぼ毎日のように,休み時間にアートスペースをのぞき,学生達と話をしながら一緒に絵を描いたり,学生達の作品で遊んだりと,楽しい時間を過ごしています。
また,学生,特に卒業生・修了生にとって,教室という広いスペースで制作活動を行えることはありがたいことであり,そこでの子どもたちとの日常的な交流から,作品のアイデアや芸術家として社会について考えるきっかけなど,様々なものを得ており,子どもたちにとっても,学生達にとっても良い学びの場となっています。
さらに,子どもたちと学生達の交流は,作品展やワークショップに,保護者の皆様,そして地域の皆様にも御参加いただくことで,美術を通した交流の輪が広がっています。
京都市立芸術大学では,今後も,子どもたちや先生方・保護者の皆様・地域の皆様などとの交流や触れ合いなどを通して,京都の文化芸術の裾野を広げ,芸術教育の充実と芸術を大切にする風土作りを目指し,取組を進めてまいります。
※ レジデンス(アーティスト・イン・レジデンス)
各種の芸術制作を行う人物を一定期間ある土地に招聘し、その土地に滞在しながらの作品制作を行わせる事業のこと。