フィルムの種類

動画用フィルムには,主に8mm,16mm,35mm,70mmがある。商業映画の分野では35mmが普及し,個人映画や実験映画では制作コストの低い8mmや16mmが多く使用されている。一秒間に24コマの静止画を送ることが一般的だが,無声映画時代には,秒間16フレームや18フレームも存在した。フィルム素材にはナイトレート・フィルム,アセテート・フィルム,PETフィルムなどがある。無声映画時代には,1秒間に再生するコマ数も16フレーム,18フレームなどがあったが,秒間24フレームが定着した。また,音の録音についても,磁気テープを使用した磁気式と光学式がある。

また,制作したフィルムにはそれぞれ原版と呼ばれるオリジナル・ネガとその複製であるデュープ・ネガがあり,これをもとに上映用ネガが作成される。

ナイトレート・フィルム

1950年ごろまで使用されたフィルム。ナイトレートセルロース(硝酸)が使われているため,可燃性が高く約40℃の環境で自然発火したという報告もある。各所で火災の原因となったため,その危険性から1950年代には生産停止に向かった。

アセテート・フィルム

1950年ごろから普及し始めたフィルム。可燃性の高いナイトレートに代わる安全なフィルムとして普及した。しかし,大きな欠点は高温多湿の環境では酢酸臭を放ちながら劣化するビネガー・シンドロームを引きおこすことである。

ポリエスター・フィルム

現在最も進んだフィルム。簡単にやぶれることがなく,化学的にも安定している。ポリエステルをベースとしている。光の透過性が高く,光にかざしたときに光がよりすり抜ける場合,ポリエスター・フィルムだと分かる。一方,透明度が低い場合にはアセテート・フィルムの場合が多い。

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