コンピュータを用いたアート

コンピュータを用いたアートは広い意味での美術活動のためにデジタルテクノロジーを用いた作品である。芸術作品と鑑賞者の相互作用は,ギャラリー空間でのインスタレーション環境から,ウェブサイト,DVD-ROM,デスクトップ・コンピューターやスマートフォンなどで使われる独自のソフトウェアを通して体験される。多くの場合,非慣習的で動的なデジタル・データの使用によって特徴づけられる。こうしたデジタル技術の応用から発展した芸術作品は「ニューメディア」アートとも呼ばれる。

コンピュータがヴィデオ,映像,音響などのデジタルデータの再生や同期や制御に用いられることも多いが,インダストリアル・ミュージックが電子楽器の誤用や極端な使い方によって発展したように,コンピュータを用いる美術家も,ハードウェアやソフトウェアなどのバグや特殊な条件を使うことも多い。その範囲は多様であることから,コンピュータを用いる美術作品に関する一義的な規則は存在しない。その結果,作品や展示は,状況に応じたものにならざるを得ない。にもかかわらず,EAIのガイドでは、いくつかのガイドラインが提唱されている。アーティストとの緊密なコミュニケーションの重要性,ソフトウェアやハードウェに関するプロジェクトの様々な側面に関するトラブルシューティング,ユーザーやオーディエンスのインタラクションのレベルの調整などに展示者は注意を払うべきである。展示における作品のインストール,起動や保守,撤収についての示唆も重要である。

展示担当者は,個々の要素がどのように関わるのかを確認する必要があり,作品の形式,非デジタルの要素,作品を動かすための適切なソフトウェアやプラグインなどについての一定の理解が必要となる。

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