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浦山瑠衣さん 2/4

2.ボストン留学

「レコーディングセッション(ボストン音楽院)」

interviewer_musicボストンに留学を決めたきっかけは何ですか。

浦山  大学の1回生の時に,イタリア(ペルージャ)の音楽祭に参加し,アメリカ人のマイケル・ルーインというピアニストに出会いました。その方が今の私の先生なのですが,出合った時にマイケル先生の大らかな人柄に惚れて,直感で先生との相性が良いと感じ,京都芸大を卒業したらマイケル先生のいるアメリカに行こうと思ったことがきっかけです。それ依頼,ずっとメールでのやり取りは続けていましたが,3回生の時には,レッスンを受けるために実際にアメリカに行きました。

interviewer_musicアメリカは留学先としてどんなところが良いですか。

浦山 アメリカは超多民族国家なので,文化や受けてきた音楽教育が異なるいろんな人に出会えるんです。視野が本当に広がります。アジアから来ている人はもちろん,アフリカや,南米のボリビアやコロンビアの小さい村から来ている人,ヨーロッパのアルバニアやラトビアから来ている人もいます。彼らは,自分の人生に対してとても積極的で,例えば,日本人がなかなかコンサートで弾く機会がないと言うのをよく聞きますが,それとは対照的に,「だったら自分たちでコンサートを企画したらいいじゃない」と言って,場所を提供してもらうためにどこにでもお願いしに行くんですよ。それに,自分の良いところを知っていて,自分をアピールする能力も身に付いています。人を説得して,自分で何でも機会を掴んでいく姿勢から,積極的に自分で動いていくことの大切さを学びました。

interviewer_musicボストン音楽院ではどんな授業が行われていますか。

浦山 授業は,生徒主体のものが多いです。生徒同士で考えを出し合うのを先生が見守るという形式の授業が多いので,語学に自信がなくても,何としてでも前に出ないといけないんです。最初は恥ずかしい思いをしてすごく大変でしたが,何とかやってみているうちに慣れてくるものですね。今では,何にでもオープンに,人前で話すのが本当に楽にできるようになりました。

 大学院の授業では,本当に面白い授業がたくさんあります。毎学期選べる,ある分野に焦点を当てた授業(私が取ったものはコンチェルト,アメリカの映画音楽のクラスなどですが,20世紀のフランス音楽やメンデルスゾーンなどというクラスもありました。)が一番面白かったです。あとは,室内楽に力を入れている学校なので毎週室内楽のレッスンやマスタークラスも多くあります。

interviewer_music生活する面で,不安などはありませんでしたか。

浦山 特にありませんでしたが,強いて言えば,銀行の口座開設,携帯電話,アパートを借りることなど,アメリカで生活できる状況を整えることが一番大変でした。アメリカ人は外国人慣れしていて,何かと助けてくれるし,親切にしてもらっています。

interviewer_music気分転換にされていることはありますか。

浦山 一人になりたい時は,町の中を散歩しています。ボストンは建物が全部レンガ造りで統一されていて,街並みがすごく綺麗なんです。自然もいっぱいあるし,何回歩いても楽しくて,よく一人で歩いています。人とわいわいしたい時は,サルサを踊りに行っています。今,サルサを始めとするラテンダンスにハマっているんですよ。(笑)南米からの友人が多いので,その文化に触れる機会が自然と多くなります。他にもジムに行くようにしています。長時間の練習で体が疲れることが多かったので,鍛えたかったんです。音楽家は芸術家であると同時に,ある意味アスリートでもあると思うので,体力はつけておきたいです。

interviewer_music留学してみて,京都芸大で学んだことが良かったと思うことはありますか。

浦山 卒業してみて,京都芸大で良かったと思うことは本当にたくさんあります。日本文化を肌で感じることのできる京都で学べる環境の良さがまずあります。そして,少人数なので必然的にアンサンブルの機会が多くなります。これは素晴らしいことで,そのおかげで色々な楽器の人とも本当に仲良くなれました。

 あと,これはアメリカに来てから思ったことですが,日本文化のことをよく聞かれるんです。「京都で4年間過ごした」と言うと,「おーー!」とテンションが上がって,色々と質問されます。「金閣寺は本当に金色なのか」とか,「舞妓さんに会ったことはあるか」とか,茶道のこともよく聞かれます。京都芸大の授業で少し触れた伝統芸能の知識と自分の経験を交えて話すと,すごく喜んでもらえます。日本にいたときはあまり意識しなかったけれど,京都芸大で学び,日本文化の中心である京都のことをアメリカに来て話せることが誇りになっています。

 
「ダンス科とコラボ(ボストン音楽院)」

「ロビーで友人と談笑中(ボストン音楽院)」

インタビュアー:藤本志帆(ピアノ専攻4回生)・近野剛 (ピアノ専攻3回生)
(取材日:2013年12月11日)※スカイプでのインタビュー

Profile:浦山 瑠衣【うらやま・るい】ピアニスト

2011年,京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専攻を京都音楽協会賞を受賞して卒業。在学中,定期演奏会のソリストに抜擢され大学オーケストラと共演。大学卒業後,渡米。現在,ボストン音楽院修士課程に在学中。2004年,第58回全日本学生音楽コンクール北海道大会高校生の部第1位。2005年,ピティナ・ピアノコンペティションG級ベスト4賞,2006年同コンペティション特級ファイナリスト。2007年,2012年ペルージャ音楽祭(イタリア)参加。2012年,ショパン国際コンクール(アメリカ・ハートフォード)第2位。2013年,ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ。これまでに東京ニューシティ管弦楽団,リスト音楽院オーケストラ,ペルージャ管弦楽団,京都市立芸術大学管弦楽団と共演。