修士課程
教育・研究目的
本課程は,個性を尊重し創造性を育む高度に専門的な音楽芸術の研究と教育を行い,音楽の専門的知識を生かして社会で幅広く活躍しうる優れた音楽家や研究者を育成することを目的とします。
専攻
作曲・指揮専攻(作曲)

学部での研究の更なる展開を課題とし,より多くのイベントに自主的に参加し,企画,制作を経験しつつ作曲者としての自立を目標としています。
修士作品又は修士作品と修士論文提出も可能です。博士課程進学希望者は論文提出も勧めます。
作曲・指揮専攻(指揮)

指揮実習を中心に指揮法の探求をすることにより,技術の熟成をはかります。また各自のレパートリーの形成を計り,広げることにより,演奏分野で活躍できる指揮者を育成します。
器楽専攻(ピアノ)

器楽専攻(弦楽)

社会に貢献できる音楽家を育てることを目的とします。
そのために修士課程では、より高度な演奏法を追求し作品解釈のための研究や考察を行います。そして修了時の修士演奏Ⅰ(50分~60分程度のリサイタル)で成果を発表します。
その他に以下の2つの課題のうち1つを選択し発表します。
1.修士演奏II(40~50 分程度のリサイタル)
2.修士論文(40,000 字程度)
器楽専攻(管・打楽)

より高度な演奏法,さらに理論面での研究を求められており,独奏による修士演奏I,室内楽による修士演奏IIまたは修士論文提出が課せられます。
管・打楽専攻としての発表の場は随時実施される学内演奏会の他に,市内コンサート会場での「管・打楽アンサンブルの夕べ」があります。
過去の卒業生・修了生の進路には,演奏家の他,留学等でさらに研究を続ける者,中学,高校の音楽教員になる者,楽器製作・販売,音楽マネージメント等があります。
声楽専攻

各研究室において専門的な研究をします。また,リサイタル形式による修士演奏Iと修士論文の提出,またはそれに代わる修士演奏IIが課せられます。
【クラス授業】
歌曲演習のクラスには,ドイツ歌曲とフランス歌曲のクラスがあり,各専門の歌曲を研究します。声楽演習のクラスでは,宗教曲を題材に演習を行います。
【オペラ】
オペラのクラスでは,オペラの公演を年一回行います。オーケストラ伴奏つきの本格的な舞台を一般公演として行います。
音楽学専攻

それぞれの専門分野をさらに深める研究を行います。音楽学特殊研究,原典研究などの専門科目を履修するとともに,担当教員の演習に参加して研鑽を積みます。また担当教員の個人指導のもとに専門的研究を行い,修士論文を作成します。優れた成果をあげた学生は,学会で研究発表を行うこともできます。より専門的な研究を目指す学生は,博士課程へと進みます。
日本音楽研究専攻

日本の伝統文化を,音楽面を中心に研究します。伝統音楽の理論・思想・歴史を深く知るだけでなく,伝承の現場に参加し,観察し,体験を深めます。学び得た知識を,論文にまとめ,さらに,一般向けにわかりやすく提示する手段を実践的に学び,伝統文化における音楽・芸能の理解を,深めていきます。学術的な深い理解をふまえた上で,伝統音楽・芸能の伝承と実践をサポートできる人材を育成します。
大学院オペラ公演




修士課程の声楽専攻生を中心として,音楽学部・音楽研究科が一団となって作り上げる京都芸大のオペラ。舞台上で歌う学生だけでなく,舞台装置作りやオーケストラはもちろん,オペラに必要な準備のほとんどを学生自らが手がけており,まさしく努力の結晶たる手作りの舞台です。
手作りとはいえ,プロの公演に劣らぬ完成度の高さが評価されるその実力は,京芸生の十分な質と力量を証明しています。
両日とも満席になるほどに大盛況となるオペラ公演は,地元の方から音楽関係者まで,幅広い層の観客の期待に応える,満足度の高い公演です。