2025年度 総合基礎実技
2025年度 総合基礎実技 課題テーマ『共生』
京都市立芸術大学は、町に開かれ、創作する私たちが町から吸収する。
また、芸術以外の分野の人との双方向のやりとりから色々なものを生み出し、一緒に考えてゆく『テラスのような大学』を目指しています。
総合基礎実技授業では、まず、ひとりひとりが自身の創作の源を探ることから始めたいと思います。
そして、様々な共感~共生に繋げる行為とは何なのかを考え、さらに実践を伴わせることで、私たちの創作活動の力を共に確認し、体感してゆきたいと思います。
芸術を学ぶ私たちは
何を担え、『こと』を起こしてゆけるのか?
授業を通して考えていきます。
2025年度 総合基礎実技 運営委員会 |
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第1課題「洛中洛外人力収集」
第1課題では、洛中と洛外の境界に位置する京都芸大から京都を「歩いて」「見て」いく。デジタル技術が発達した現代では、現場に行かずとも様々な方法で情報を集めることができる。しかし他者が撮った写真や、言葉の知識だけで地図を眺めることと、自分の足で実際にその場所の風景や事象を見聞きすることの間には大きな違いがある。
フィジカルに街を歩くことで、新しいイメージを「発見」「収集」していく。


第2課題「調べて伝える vol. 2」
自らの置かれている自然や社会について調べ、そこにある様々な問題について考え、自らの意見を公の場において発信することは、美術における制作・研究にとっても大切な意味を持っている。第2課題では社会問題を対象として取り上げることを試みる。
まず文献調査、インタビュー、実験など様々な学問・芸術の分野で使われているリサーチの手法について学び、次に自分が関心を持っている社会問題について調べ、それを元に社会に向けて発信したいメッセージを考え、キャンパスから外に向かって発信するための何かを作る。


第3課題「嘘をつくる」
嘘が嘘だと気が付く迄、私たちがそこに見ているものは何なのか。そして嘘が成立する条件とは。上手に描かれた絵の如く、なかったものをあたかもあったかように見せる、存在させるということなら、私達の仕事に関係があることかもしれない。嘘は小説や物語、フィクションの原型でもあり、嘘を嘘とわかって信じることもできる。そして時に真実を伝えないことが、相手をいたわるケアの行為になることもあるかもしれない。
第3課題では、そんな豊かな「嘘」を掘り下げて研究し、共同で嘘をつくっていく。




第4課題「そうきそ展をつくる」
私たちは日々なにかをつくり、なにかを表現している。その作品、その制作活動がどんなものかということの意識は、作品がより外に開かれ他との関係が構築されていくことで徐々に得られる。
第4課題では、2025年度 総合基礎実技の第1課題~第3課題において、自分たちがつくってきたもの、みてきたものを自分たちで再編集を行い、展覧会(「そうきそ展」)の企画立案~実施・運営までを行う。


2025年度 総合基礎実技展「そうきそ展−共生」
本年度の総合基礎実技で実施した各課題の内容を紹介しながら、学生たちの取組の成果を展示しました。
会期:2025年7月22日(火曜日)〜24日(木曜日)

